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Ska-Flames

Text by Takeshi Miyauchi Photo by Jun Maekawara (Kenji Miyazaki, Hirokazu Ise)

 スカという音楽は、本来ルードな若者たちのための音楽という側面がある。だが一方で、スカという音楽には年齢を重ねるごとににじみ出てくる面白さもあるんだということを体現してきたのが、The Ska Flamesだ。
 さて、そのThe Ska Flamesだが、2015年に結成30周年を迎えるという。アニバーサリー・イヤーを前に、新たな想いとともに裏打ちの歴史を刻みはじめた彼ら。その創設メンバーである宮崎研二(g)と伊勢浩和(vo)に話を訊いた。

●今年(2014年)夏のフジロックでのステージを観ることが出来たんですが、大勢のオーディエンスで埋まったField Of Heavenを大いに盛り上げていました。

宮崎(以下、M):まぁ、ノリは全然変わらないでしょ? 曲も変わらないからね(笑)。間が空いたことはあっても、ライヴを止めたことはないですから。

伊勢(以下、I):うん。一度もやらない年っていうのはなかった。

M:去年いろんなことがあって、バンド名を変えようかなんて話も出た。みんなでいろいろ真剣に議論もしたし、相談もしたし……だけど、そこで結束も強くなった。

I:だから今は、昔バンドをはじめた頃の感覚に戻っているのかもしれないね。

そんな話の流れから、バンド結成当初を振り返ってもらった。

M:The Ska Flamesを名乗る前に、Blue Flamesって名前でちょこっとやってたんだけど、その前にSka All Starsって名前でライヴを1、2回やったことがあるんだよ。

I:俺、その名前は知らない(笑)。まだメンバーが固まる前だよね。

M:ニッカさん(西川和正/バンド創立の中心人物であるドラマー)と俺とナベ(渡辺浩司/元メンバーのトロンボーン奏者)と、あと宮永(桂/b)と長井(政一/key)くんはいたかな。同じ頃、伊勢は伊勢でバンドやってたからな。

I:俺はアキヒト(中須彰仁/per)、紫垣(徹/Gui)さんたちと一緒にBlue Beatっていうレゲエ・バンドをやってた。今になってみれば、なんて畏れ多い名前でやってたのかって思うけど(笑)。3回ぐらいライヴやったかな。そのバンドは最初はニッカさんがドラムを叩いてたんだよね。そのあと合体して、Blue Flamesになった。たしか84年頃だったかな。

M:このバンドを立ち上げた人、尊敬するニッカさんなんて、もともとドラマーじゃないしね。(バンドを辞める)最後までドラム組み立てられなかったんだから。フロアタムの上には、いつも財布が置いてあった。手が回らないもんで、使わないフロアタムが物置きになってるんだよ(笑)。

●それ、すごいエピソードですね(笑)。

M:その頃、こだま和文さんは、松本隆乃さんたちとMUTEBEATの前身のRude Flowerってバンドをやってらしたでしょ? タカノさんとアキヒトは近い関係だったし、こだまさんとニッカさんも原宿界隈で知り合いだった。そのつながりもあって、吉祥寺の曼荼羅でBlue Flamesがライヴやった時にこだまさんは観に来てたんだ。客がまだ5人しかいなかった時にだよ。『ニッカさん!とうとうスカやっちゃたのかぁ~、ヤバいんじゃない?~』って、こだまさんが喜んでたのが記憶にあるね。同じ時期に知り合った松竹谷清さんには『スカのギターの弾き方はな、人差し指でなぞるように弾くんだよ! Studio Oneのあの音は、ピックなんか使っちゃ出ねぇぞ』なんてことをよく教わってましたね(笑)。

●情報があまり入ってこなかった時代なりの、音源を聞いて想像を膨らませながら探究していくという面白さもありますね。

M:バンドをはじめる時、ニッカさんからこういうバンドやるからって、スカの曲が入ったカセットテープをもらって。そこにはスカタライツ〈The Guns of Navarone〉とか入ってたかな。カセットを聴いたら、テープが縒れててウニョウニョいってるんだよね(笑)。それ聴いて、変な音楽だなって思ったね。当時はもちろん、スペシャルズは知ってたけどね。ジャマイカオーセンティックは初めて聞かされた。それで、バンドでやってみるんだけど、どうしてもあの雰囲気が出ない。当時はレコードを本気でレプリカしようぐらいの勢いでやってたから、難しいもんだなって思ったよね。

これらは約30年前の話しの一部。
それから紆余曲折、色々な人々に助けられて、イギリスのGAZ MAYALLのところからデビューとなる。エピソードは尽きない。

長い歴史の中では、メンバーの加入/脱退もあった。比較的新しいメンバーというイメージのあるトロンボーンの溝呂木圭でも、加入から13年近く経っているという。

溝呂木(以下、MZ):The Ska Flamesは昔から聴いてたし、自分の通ってた大学の学園祭に呼んだぐらいなんですけど、もともと僕はスカど真ん中じゃなくて、ファンクやR&Bを演っていたんですね。だからThe Ska Flamesというバンドに対して変な先入観は無かったし、今でもある意味では第三者的な視点で見ることが出来る。それにしても、こんなバンドは他に無いよなって思いますよね。みんな本当に好き勝手なことばっかりやってるし。

M:今は溝呂木くんがスケジュールを管理したり、メンバー間の連絡を取ってくれてる。ご苦労様です(笑)。

MZ:でも、そんな人たちがひとたび演奏をはじめると、このバンドにしか出せない音を奏でる。不思議なバンドだと思いますよ。

M:皆の好きな音楽の指向性も幅広いからね。アキヒトなんかはルーツ・レゲエが大好きだし、長井なんかはMighty Massaと称してニュー・ルーツをやっていて、ヨーロッパでは有名です。宮永はソウルやR&Bやラテンだし、紫垣(徹/g)さんはマーヴィン・ゲイだしな。伊勢はジャンル問わず、奄美大島の民謡から矢沢永吉までルーツにあるし。

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