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Tommy Far East

●今考えて、ジャマイカ音楽の何がここまで全部を突っ込んだ原因だと思う?

T:アンユージュアリーな事ですかね。今まで日常に見てきた中で、想像を覆すぐらいの発見がジャマイカの音楽にはあったんですよ。他ジャンルの同じ60~70年代の音楽とは明らかに違うんです。それはジャマイカの音楽を好きになったっていう事もあると思うんですけど。こんな曲をレコーディングしてたんだっていう言葉では表せない様な感動、そしてアンユージュアリーな音とかこの楽器の使い方とか。

●普通じゃないって事?

T:ええ、もう普通じゃないって事です。今まで聴いた音楽の中でジャマイカ音楽の衝撃っていうのは他のジャンルには無いものですね。ジャマイカならではのテイストに引き込まれたのが一番デカいですね。内情を知れば知る程ジャマイカの音楽は凄いって、キース・スコット(フェデラル・スタジオのエンジニア)に出会って当時の事を聞いたのもデカいです。サウンド・システム文化ってメキシコでもあったって言いますし、サルサのサウンド・システムの写真とかも見せてもらったんですけど、ジャマイカみたいな形では浸透はしなかったんです。みんなが集まって公民館でラジオを聞いてたとか、あの国のカルチャーは凄いと思いますね。あのサウンド・システム文化のダブ・プレート文化もです。僕はダブ・プレートで自分のことをチャンピオン・サウンドって言ってもらってかけるのは正直好きじゃないんですよ。チャンピオンはみんなが決める事だし、自分でアーティストにお金払って自分の事を言ってもらうっていうのはちょっと抵抗がある。それがスタイルなのかもしれないですけど、個人的には凄く抵抗があって、そういう文化も強烈でしたね。この間もストレンジャー(コール)が言ってましたけど、「ジャマイカにはもう古い文化は無いかもしれないけど、それは文化が死んだわけではなくて他の国に移っただけだから、俺たちが昔作った音楽は絶対死なない、スカは絶対死なない」って、そういうのを聞いてもジャマイカって凄いタフだなって思いますね。

●レコードをたくさん持っているわけだよね。

T:いっぱいかどうかですけどね。

●ジャマイカ・シングルの全体から考えて、自分がどのくらいの%のタイトルを持ってると思う?

T:それ、よく言われるんです。今は昔に比べるとカタログ的な情報は、アーティストとかプロデューサーでこの番号からこの番号までってタイトルも全部出るんですけど、それがイギリス盤とかはある程度正確なんですけどジャマイカ盤に関しては本当に何が出てるかデタラメなんですよ。

●1タイトルしか出てないレーベルとか、極端にプレス枚数が少ないないとか?

T:ええ、だから当時からダブ・プレートっていうカルチャーがあったのに、わざわざスタンパーをお金かけて作ってレコードを2~3枚しかプレスしないって有り得ないと思って聞いたら、普通にオーダーがあったものはだいたい最低50枚はプレスしてたらしいんですよ。だけど、スタンパーを作って最初のテスト・プレスを2枚、3枚プレスして「やっぱ要らない」っていう曲もあったみたいで、そういうのが出てくると大分震えますよね。例えばコレクターのアメリカ人が集まって作ったルーツ・ナッティー・ルーツっていうデータベースがあって、もちろん全部が正しくはないですが、そこにマトリックスっていうレコードの溝の所にある製造番号を打つとテスト盤のプレリリース盤でもタイトルが出てくる事が多いんです。それを参考に考えるとジャッキー・オペルとウェイラーズのスタジオ・ワンは、これで見た感じだと全部揃ったなと思ってたんです。それが数年前に1曲だけとんでもないレコードが出てきたんです。ある人がジャマイカから帰ってきて「トミー、全部ジャッキー・オペル持ってるでしょ、1曲だけタイトル分らないから教えてくれ」と言われて、かけたら聴いた事ない曲で、ボブ・マーリーの未発表の曲が出てきたくらいのノリですよ。「うわっ!なんですか、こんなの初めて聴きました」とびっくりしましたね。なんとか頼んで売ってもらったんですけど、それをイギリスでかけた時は大変なことになりましたねやっぱり。曲をかける前に前置きして「ん? そんなのお前がタイトル知らないだけだろ」ってみんな思ったはずですけど、かけたらみんなボスしてくれて、こういう曲が出てくる事があるんで、もう深いですね。それが今のところ世界で僕しか持っていないって言われていますね。

●へええ。

T:今だったら、もうそんな事はなかなか無いんですよ。ブランク盤だけで終わったのもあると思うんですけど、本当に最初のテスト・プレスの2~3枚、スタンパーをチェックするだけの盤は本当に貴重で、それが全部イケてる曲とは思わないですけどたまたま僕のは大分曲もイケてたので。そういうことで考えると実際自分が何%ぐらいまでいってるかは分らないですね。当時の人に聞くと、とりあえずレコーディングはしまくったって言ってますね。当時はフェデラルとワールドだけを使ってて、自分たちがレコーディングしたいのに何時間も待ってるのが嫌だとかそんなのでコクソンもデューク・リードも自分のスタジオを持ち始めたから、24時間好きな時にレコーディングできますし、コクソンは62年にスタジオ持ってからアホみたいにレコーディングをしたと思うんですよ。でもその中でもプレスしてるのって半分もないと思うので、レコードというよりも当時作られた音楽としてはまだまだ大分あるなって思います。僕もレコードから最近はマスター・テープにもどんどん興味が出てきて、そのテープを聴くとまだ出てない曲があるからまた僕の目ざす器が広がったっていうか、だいぶ聴いてるのにと思ってたけど、それはレコードというだけで曲として考えたらエンドレスだなと思うと、もっともっと楽しめるなと思いましたね。

●今日はこのくらいにしておこう(笑)。またそのうち第2ラウンドいこう。

Keith & Tex Japan Tour
http://www.overheat.com/articles/event/keith_tex_japan_tour_2014/


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